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震災特例法による相続税等の特例

相続財産の価格は通常相続時点における時価で評価するのですが、震災特例法の中の「特定土地等及び特定株式等に係る相続税の課税価格の計算の特例」により、相続税の申告期限が23年3月11日以後の者が、3月10日以前に相続等で取得し、3月11日時点で所有している「特定土地等又は特定株式等」に限り、震災後を基準とした価格を基に相続税課税価格を計算できることとされています。
特定土地等とは、被害が甚大だった青森、岩手、宮城、福島、茨城の5県の他に、新潟県十日町市、津南町や長野県下水内郡栄村、栃木県、千葉県も含まれています。
特定株式等とは、上記の地域内に保有する、動産等、不動産の割合が保有資産の3割以上である非上場会社の株式等となる。

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寄与分制度

寄与分制度とは、共同相続人間の公平を図るために導入された制度です。
被相続人の財産形成に貢献した(死亡した父親の事業を手伝っていた等)相続人と、独立して生計を立てている他の兄弟等を、法定相続分とおりに遺産分割することに不公平感が生じます。
また、被相続人が長年病気で看護等で相当な貢献をしている場合なども寄与分に認められるケースがあります。
手続きは原則として相続人全員の協議で決めるのですが、協議がまとまらない場合は家庭裁判所に調停や審判を申し立てて決めてもらうことになります。

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災害孤児への生命保険金について

今回の大震災では今なお多くの方が行方不明のままです。また、家もろとも両親等を亡くした子供さんも大勢いるようです。
今、各保険会社は震災の対応で大変であるとの報道を目にしました。
生命保険金は請求しなければ払われないのが原則です。
そこで問題なのが親を亡くした災害孤児への生命保険の受取り手続きをどうするかです。
まず未成年の子供の場合、子供の住所地の家庭裁判所に親類等が未成年後見人の申請をしなければなりません。
その決定後に後見人が保険会社に死亡保険金の請求をすることになります。
ただ、親が行方不明の場合は推定死亡宣告(通常は1年経過後に宣告される)後に手続きをすることとなるようです。
この推定死亡宣告については、特別措置が取られ期間が短くなる見込みです。
亡くなった親の生命保険契約がわかる場合はこれで良いのですが、分からない場合(災害地域生保契約照会センター)に後見人が問い合わせて探してもらうことになります。
この照会にもだいぶ時間がかかるそうです。
被災地を担当していた保険代理店や保険会社の営業担当の方々が、避難所を回って契約者等を探しているようです。
ですが、最近はいわゆる担当者のいない保険契約は相当数あると思います。
この災害弱者である子供たちへ、親が残してくれた財産を少しでも早く届けていただける様、保険会社各社には更なる積極的なアクションを期待しております。

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相続財産を義援金とした場合

相続により取得した金銭を、相続税の申告期限までに国等に対して拠出した場合には、(国等に対して相続財産を贈与した場合等の非課税等)の特例の適用を受けることができ、その金額は相続税の課税対象となりません。
この特例を受けるためには、相続税申告書に所定の事項を記載し、かつ、支払ったことが確認できる書類(振込票控え等)を申告書に添付することが必要です。
所得税や法人税でも寄付金(義援金)に対して同様の適用があります。
こうした直接的な支援が日本全体で広まっています。
一刻も早い復興を切に願っております。

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21年分相続税調査事績

関東信越国税局から平成21年分の相続税申告事績、相続税調査事績を公表していますので、かいつまんで紹介しておきます。
21年中に亡くなった被相続人の数が16万5657人、うち相続税の課税対象となった被相続人数は6305人で課税割合が3.8%。
相続人数については1万5599人となり、課税価格が1兆3197億円、税額が1370億円となっています。
調査事績については、2394件を実施。このうち申告漏れ等の非違があった件数は1938件、申告漏れ課税価格は609億円、追徴税額は122億円となっています。
そのうち海外資産関連事案は、調査件数が116件、非違件数84件となり、前年と比べて2倍以上増加しているそうです。
先に発表された税制改正大綱では、相続税は大きく増税となるようなので、一部の富裕層による海外資産関連の事案は今後も増加していくのではないでしょうか。

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贈与税 税制改正大綱

贈与税は、無償の財産取得に担税力を見出して課税するものであり、相続税を補完する役割を果たしています。
しかし今回の改正大綱では、若年世代への資産移転を促し、経済社会の活性化をさらに進めるとの基本指針が示されています。
ここ数年続いている、生前贈与を促進させるための措置がさらになされることになるようです。
子や孫が受贈者となる場合の贈与税の税率構造緩和、受贈者に孫を加えるなど相続時精算課税制度の対象範囲の拡大を行うことによる、消費拡大や経済活性化を図るねらいがあるのです。

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税制改正大綱 補足

前回紹介した以外の、23年度税制改正大綱相続税関連案についても紹介しておきます。
・未成年者控除
 現行20歳までの1年につき6万円→20歳までの1年につき10万円
・障害者控除
 現行85歳までの1年につき6万円(特別障害者12万円)
 →85歳までの1年につき10万円(特別障害者20万円)
・相続時精算課税制度の適用要件について
 1 受贈者の範囲に20歳以上である孫(現行推定相続人のみ)を追加
 2 贈与者の年齢要件を60歳以上(現行65歳以上)に引き下げます。
・相続税の連帯納付義務者が連帯納付義務を履行する場合に負担する延滞税について  は、一定の要件の下、利子税に代える等の措置を講じます。
 

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23年度税制改正大綱発表

政府が16日に閣議決定した23年度税制改正大綱では、個人課税で高所得者を中心とした増税が目につく発表となりました。
相続税に関しては、前に紹介したように「基礎控除額」が縮小となります。
現行の基礎控除定額部分 5000万円→3000万円
法定相続人1人当たりの追加部分 1000万円→600万円
それぞれ4割減となっています。
また、みなし相続財産である「死亡保険金」の1人500万円の非課税枠は維持されましたが、適用条件に(亡くなった人と)生計を一にしていた者との項目が付け加えてあります。
そして税率の区分も現行の6段階から8段階になっており、最高税率を55%としています。
ただ、税収不足は明らかで、今後も「相続税」「所得税」による「格差是正」は見直されていくことも想像されるところです。

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準確定申告

準確定申告とは、被相続人が亡くなった年の1月1日から死亡した日までの所得を税務署に申告することをいいます。
一般の確定申告の場合、申告期限は翌年の3月15日となりますが、準確定申告では相続の開始を知った日から4カ月以内となっていますので注意が必要です。
以下に該当する被相続人が申告の対象となります。
1 給与所得、退職所得以外の所得の合計が20万円以上あった人
2 給与所得が2000万円を超えた人
3 2ヶ所以上の会社から、給与をもらっていた人
申告の手続きと納税は相続人等が行うこととなります。
なお通常の確定申告同様、各保険料控除、医療費控除をする事が出来ます。

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23年度税制改正

平成22年度税制改正大綱では「格差税制の観点から、相続税の課税ベース、税率構造の見直しについて平成23年度改正を目指します」と明記している。
具体的には、相続税の基礎控除(5000万円+法定相続人数×1000万円)の縮小を検討。
5000万円の定額部分は3000~4000万円台へ引下げ、法定相続人1人につき1000万円の非課税部分も見直しを検討するとしている。
昭和63年12月改正前は14段階あった税率構造は、累進構造が緩和されてきた。現行は6段階の累進構造で、相続人の取得金額が3億円超の部分については、50%の最高税率が課されるが、来年度改正では基礎控除の縮小と合わせ、税率構造の見直しで課税ベースの拡大に向けた検討を進めるということです。

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