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相続税の脱税等に関する罰則

平成22年度税制改正において、国税全般にわたって罰則についての見直しが行われています。
相続税法に関しては次の改正が行われました。
①脱税犯・・・懲役刑の上限が10年に、罰金刑の上限が1000万円に引き上げられました。
②申告書不提出犯・・・民法の規定により被相続人の特別縁故者に対して相続財産の分与がされた場合の修正申告の提出をしなかった者を適用対象とするとともに、罰金刑の上限が50万円に引き上げられました。
③秩序犯(検査忌避犯等)・・・罰金刑の上限が50万円に引き上げられました。
④税務職員の守秘義務違反の罪・・・国税の調査に関する事務に従事している職員の守秘義務違反に対する統一的な規定が国税通則法に設けられたことに伴い、相続税法からこの規定が削除されました。
これらの改正は、平成22年6月1日以後の違反行為について適用されます。

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遺産分割協議書

遺産分割協議書の作成の目的は、不動産や預貯金の名義変更等や相続税の申告書への添付の為だけでなく、相続人間における分割内容の合意・確認や、法的にも分割が終了したことを明確するという意味合いもあり、相続において重要な書類となります。
遺産分割協議書は相続人全員で行います。
協議が成立したことを証するために、相続人全員の署名押印が必要となりますが、このときの印鑑はすべて実印となります。
財産・債務は、もれなく記載することが必要となりますが、生命保険金・死亡保険金は遺産分割協議の対象ではないため記載は要しません。
遺産分割協議書の作成は、税理士・司法書士等の専門家と打ち合わせの上作成することができますが、今はインターネットで検索すれば、記載例などを容易に確認することもできますので、参考になさってはいかがでしょうか。
なお、遺産分割協議書の作成に当たって、個別の財産を明記せず、「全ての遺産」という表現を使うこともありますが、少なくとも不動産に関しては名義変更登記の関係上、明記したほうがよいでしょう。
また、先に述べたように「相続人全員」で行い「署名押印」する訳ですので、後のトラブルにならないよう、全員が内容を正しく把握することが大切です。

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リバースモーゲージ

リバースモーゲージというのを聞いたことはないでしょうか?
高齢者などが自宅に住みながら持ち家を担保に金融機関や自治体等から老後資金を借りて、死亡時に一括返済する住宅担保型ローンの一種です。
通常の住宅ローンは、一括して資金を借入れ徐々に利息と元本を返済していくためローンは減っていきますが、リバースモーゲージはその逆で、分割で資金を借り入れていくため、ローンは徐徐に増えていく仕組みとなります。
またリバースモーゲージは、借り入れた者が死亡した後に一括で返済する仕組みのため、実際に返済する義務を負う者は相続人となります。
相続人自身の財産を返済に充てることもできますが、基本的に担保不動産の評価額の一定金額が融資限度額とされるため、限度額いっぱいに融資を受ければ比較的高額になります。
そのため、相続人が相続により取得した不動産を任意売却して得た現金で返済することを前提としているようです。
相続人にしてみれば、不動産の相続で相続税が生じるうえに、取得した不動産を売却すれば譲渡所得として課税対象となるため、抵抗を感じる向きもあるように思われます。
しかし、リバースモーゲージの債務は債務控除の対象であり、一般的にリバースモーゲージによる借り入れをする者は、持ち家しか遺産がないことが想定されるため、相続税が課されないことが推測されます。

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過納金の還付請求権=相続財産

最高裁判所で10月15日に、ある事件の判決が下されました。
事件は、所得税の更正処分の取消請求を提起した納税者が訴訟中に死亡、取消判決の確定による還付金が相続財産として課税されたことで争われていたもの。
一審の大分地方裁判所は、相続の開始時には取消訴訟が係属中で過納金の還付請求権が発生していないのは明らかで、判決確定で請求権自体が納付時にさかのぼって発生するとはいえないことなどから、本来相続財産に含まれない還付請求権を課税財産とした更正処分を違法と判断した。
この判決を受けて国側が控訴、福岡高等裁判所では、取消訴訟の確定で更正処分は初めからなかったことになるから、更正処分で被相続人が納税した日にさかのぼって過納金の請求権が発生していたとし、請求権は被相続人の相続財産とした国側処分を認める逆転判決を行った。
最高裁判所は、所得税更正処分等の取消判決が確定した場合、更正処分は処分時にさかのぼってその効力を失うことになるため、処分によって納付された所得税等は、納付時点から法律上の原因を欠いていたことになり、所得税等に係る過納金の還付請求権は納付時点において既に発生していたとした。
被相続人は所得税更正処分等を受け所得税等を納付して、取消訴訟を提起、その継続中に死亡したため相続人が訴訟を承継し、更正処分の取消判決が確定するに到ったときは、その過納金の還付請求権は被相続人の相続財産を構成し、相続税の課税財産になると結論づけた。

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保険年金2重課税について

既にご存じの方も多いと思いますが、相続等に係る生命保険契約に基づいて支払われる年金の所得税については、最高裁判決を受けた取り扱いの変更で相続税が課税された部分を所得税の対象としないことになりました。
納めすぎの所得税は還付となりますが、5年超の分については特別な措置が必要なため、来年の通常国会で法改正が審議されることとなっています。
これに関連する税金に個人住民税がありますが、5年超の分について所得税のように特別な還付措置が講じられる予定はないようです。
総務省は、還付は5年以内に限るとする地方税の基本ルールを国の政策判断で変更し、すべての地方団体に一律で適用することは適切でないと判断し、全国地方団体へ通知を行っているようです。
各地方団体に「げたを預けた」格好になるために、手続き等の遅延が予想されます。

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相続放棄に必要な書類

相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければなりません。
その際に以下の書類等が必要となりますので紹介しておきます。
①相続放棄申述書(家庭裁判所にあります)
②申述人(相続人)の戸籍謄本
③被相続人の戸籍謄本等(除籍簿)
④被相続人の住民票の除票
⑤収入印紙(一人800円)
⑥返信用の郵便切手(一人400円分)
⑦申述人(相続人)の認印
相続放棄申述書を家庭裁判所に提出後、1週間ほどで家庭裁判所から「相続放棄の申述についての照会書」が郵送されてきます。
この照会書にいくつか質問事項がありますので、それに回答し、家庭裁判所に返送し、問題なければ「相続放棄陳述受理証明書」が郵送され、これによって相続放棄が認められたことになるのです。

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配偶者の相続税額軽減

配偶者に対する相続税については、同一世代間の財産移転であり、遠からず次の相続がおこり、その際相続税が課税されること、また長年共同生活が営まれてきた配偶者に対する配慮、被相続人の死亡後における生存配偶者の老後の生活の保障、更には遺産の維持形成に対する配偶者の貢献の考慮などということから、軽減措置が講じられています。
なお、配偶者は被相続人との婚姻において「届出」をしている者に限られます。
「配偶者の税額軽減額」=「相続税の総額」×「配偶者の法定相続分相当額※と配偶者の実際取得額とのうちいずれか少ないほうの金額」
※=1億6千万円に満たない場合には1億6千万円

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相続税の納税猶予制度

農業を営んでいた被相続人から農地を相続し、農業を継続する場合に、次の相続か、農業後継者に対する生前一括贈与があるまでの間、相続税の納税が猶予される「相続税の納税猶予制度」という制度があります。
また、相続税の申告期限から原則として20年を経過するまで、農業用地として使用してきた場合には、猶予された税額を免除することとなっています。
以下に、適用要件を抜粋します。
被相続人の要件・・・死亡の日まで農業を営んでいた人、贈与税納税猶予の適用を受けた農地等を生前に一括贈与した人
相続人の要件・・・相続税の申告期限までに、相続又は遺贈により取得した農地等で農業経営を開始し、その後も農業を継続すると認められる人
贈与税納税猶予の適用を受けた人で農業者年金の経営移譲年金を受け取るために、その推定相続人の一人に農地等を使用貸借による権利設定をして農業経営を移譲した人
制度の対象となる農地等・・・被相続人から相続又は遺贈を受けた農地等であること
相続税の申告期限内に分割された農地等であること
被相続人が農業用として農地等を使用していたものであること

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相続税の納付方法

一般的に税金は、金銭で即納することが原則とされていますが、相続税は他の税目と異なり財産を課税客体として課税するものであり、その納付が困難な場合も考えられることから、延納、物納ができることとされています。
延納ができる場合の要件
①申告・更正又は決定による税額が10万円を超えること
②納期限までに、または納付すべき日に金銭で納付することが困難であること
③担保を提供すること
④相続税の納期限又は納付すべき日までに延納申請書を提出すること(税務署長の許可を要する)
物納ができる要件
①延納によっても金銭で納付することが困難な金額の範囲内であること
②物納申請財産が定められた種類の財産で申請順位によっていること
③申請書及び物納手続関係書類を期限までに提出すること
④物納申請財産が物納適格財産であること

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遺産未分割の相続税申告

相続税の申告は原則として、相続人又は受遺者が相続又は遺贈により取得した財産について、課税価格及び税額を計算して申告しなければなりません。
しかし、実際の申告においては、提出期限までに遺産の分割がなされないため各相続人の取得部分が確定しない場合があります。
このような場合において相続税の申告と納税の期限を延期することは、分割の有無によって相続税の実質負担を左右することとなり、課税の公平性にもとることとなりかねないので、民法に規定する相続分又は包括遺贈の割合により、取得した相続財産の価額及び承継債務の金額を計算し、これにより相続税の申告をすることとされています。

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