吉田会計ブログ > 相続開始があったことを知った日
相続税を申告しなければならない人は、「その相続の開始があったことを知った日」の翌日から10カ月以内に相続税の申告書を提出しなければなりません。
この相続の開始・・・とは、単に相続開始の事実を知った日すなわち、被相続人が死亡したことを知った日を言うのではなく、「自己のために相続の開始があったことを知った日」をいいます。
相続税法では、下記のようにその日を定めていますので参考にしてください。
1 失踪宣告を受け死亡したものとみなされた者の相続人又は受贈者・・・それらの者がその失踪宣告のあったことを知った日
2 相続開始後においてその相続に係る相続人について失踪宣告があり、その死亡したとみなされた日がその相続開始前であることにより相続人となった者・・・その者がその失踪宣告のあったことを知った日
3 失踪宣告の取消しがあったことにより相続開始後において相続人となった者・・・その者がその失踪宣告の取消しのあったことを知った日
4 認知に関する裁判又は相続人の廃除の取消しに関する裁判の確定により相続開始後において相続人となった者・・・その者がその裁判の確定を知った日
5 相続人の廃除に関する裁判の確定により相続開始後において、相続人となった者・・・その者がその裁判の確定を知った日
6 相続について既に生まれたものとみなされる胎児・・・法定代理人がその胎児の生まれたことを知った日
7 相続開始の事実を知ることができる弁識能力のない幼児等・・・法定代理人がその相続の開始のあったことを知った日(相続開始の時に法定代理人がない時は、後見人の選任された日)
8 遺贈(被相続人から相続人に対する遺贈を除く。)によって財産を取得した者・・・自己のためにその遺贈のあったことを知った日
9 停止条件付の遺贈(被相続人から相続人に対する遺贈を除く。)によって財産を取得した者・・・その条件が成就した日
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被相続人に同居の家族がいない等の理由から、どのような相続財産を所有していたか分からないケースもあるかと思います。
そこで、相続財産の調査の方法を簡単に紹介してみたいと思います。
①不動産の有無・・・不動産を所有していたと思われる場合、存在すると思われる市区町村の資産税課に申請して不動産の名寄帳(その市区町村にある不動産に関する所有者ごとの一覧表)を取り寄せることによって知ることができる。
②預貯金の有無・・・金融機関から被相続人の死亡日の残高証明書を取り寄せる。
なお、こうした書類の取り寄せは、相続人であれば誰でもできるのが原則であるが、被相続人の相続人であることを証する戸籍謄本、被相続人が死亡したことを証する被相続人の除籍謄本、また請求する者が相続人であることを証する身分証明書等を要求されるのが通例であります。
ただ、被相続人の日頃の生活にほとんど関知していなければ、なかなか見当をつけられません。
そこで、まず郵便物が保管してないかを確認してください。
不動産であれば固定資産税の課税明細書、有価証券等であれば取引報告書等、預貯金であれば満期通知等、郵便物からこれらの財産の所有をつかむことができます。
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遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してしなければならないと民法で定めれています。
分割の方法は3つあり、
①現物分割・・・遺産を現物のまま分割する方法で、分割の原則的方法
②代償分割・・・共同相続人の一人又は数人が相続により財産の現物を取得し、その現物を取得した者が他の共同相続人に対し債務を負担する分割の方法
③換価分割・・・共同相続人の一人又は数人が相続により取得した財産の全部または一部を金銭に換価し、その換価代金を分割する方法
となっています。
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相続や遺贈によって財産を取得した者が、その相続の開始前3年以内にその相続に係る被相続人から財産を贈与によって取得したことがある場合には、その贈与財産の価額を相続税の課税価額に加算した上で、相続税の総額や各相続人等の相続税額を計算することとされています。
この場合の財産の価額は、その財産に係る贈与の時における価額によるものとされています。
ただし、その贈与財産のうちに贈与税の配偶者控除の適用を受けた部分があるときには、その部分の金額は加算されません。
相続税の申告をする際は、これらを漏らさずに申告してください。
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相続税法における財産評価については、「相続、遺贈又は贈与により取得した財産の価額は、当該財産の取得の時における時価により、当該財産の価額から控除すべき債務の金額は、その時の現況による」と規定していますが、具体的な相続財産の評価方法については、一部の財産について定めているだけです。
実際の相続税申告における財産評価は、国税庁の公表する「財産評価基本通達」によって評価することとなります。
相続税の申告における、相続財産の構成割合の約半分を占めている財産は「土地」であり、その種類、地域、形状等により細かく評価の方法が定められています。
よって、正しい評価をするのには相応の手間が必要となります。
専門家に相続税申告を依頼する際は、早めの対応が必要となります。
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相続又は遺贈により財産を取得した者がその相続又は遺贈に係る被相続人の相続人に該当し、かつ、障害者である場合には、その者の相続税額から6万円(その者が特別障害者である場合には12万円)にその者が70歳に達するまでの年数を乗じた金額を控除することとされていました。
この(障害者控除)は、昭和47年度に創設されたものですが、当時の平均寿命を勘案した「70歳に達するまで」が現在の平均寿命を大きく下回っていることから、今回の改正で「相続人が85歳に達するまで」の年数によることとされました。
この改正は平成22年4月1日以後の相続又は遺贈に係る相続税について適用されます。
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前回に続き、相続税と所得税の二重課税裁判について
この問題を受けて財務省は、同様の保険商品で過大に徴収していた所得税を還付する方針を発表しています。
ここで問題なのは、年金形式である為に長期間において違法な課税処分を受けていたことであり、現行の法律上の遡及適用が最大5年とされている点です。
会見で野田財務大臣は、5年以前の分も対応するような発言だったようですので、発表を待ちましょう。
なお余談ですが、今回の問題で、所得税の還付を装った振り込め詐欺が発生することが懸念されますので、くれぐれもご注意ください。
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国税庁が5月に(平成20年分の相続税の申告事績)を公表しています。
それによると、20年の被相続人数約114万人、
相続した財産の内訳は金額ベースの構成比で預貯金が21.5%を占めるそうです。また民間シンクタンクの推計によると、1年間に相続される資産は約100兆円とするデータもあるほどで、構成比に沿って考えれば年間20兆円の預金資産があることになります。
7月6日に最高裁より判決の出た(相続税と所得税の二重課税)の問題として、次に浮上すると見られているのが(定期預金の未収利息)にかかる課税処理です。
定期預金を相続した場合、定期預金に対応した利息分を含めて申告を行うのですが、定期預金が満期を迎えて実際に受け取る段階では、再び利息分について利子所得が課税されてしまうのです。
個々の金額は低いが、先に書いたとおり年間20兆円規模の資産に(二重課税)が発生している可能性もあることから、各メディアもそのことに言及しているというのが、今の状況です。
この問題は今後も気づいたことをお伝えしていきたいと思います。
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相続や遺贈によって財産をもらった人が、その相続や遺贈についての相続税の申告書の提出期限までに、その相続や遺贈によってもらった財産を、国若しくは地方公共団体又は民法第34条の規定によって設立された法人その他の公益事業を行う法人のうち教育若しくは科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与する特定の公益法人に対して贈与をした場合には、その贈与をしたことによって、その贈与者又はその親族その他これらの人と特別の関係にある人の相続税や贈与税の負担が不当に減少する結果となると認められる場合を除いて、その贈与した財産の価額は、その相続や遺贈についての相続税の課税価格の計算の基礎に算入されません。
なお、特定の公益法人に対する相続財産の寄附であっても、その法人を設立するための財産の提供については、この特例の適用はありません。
「特定の公益法人」とは、つぎのものをいいます。
・独立行政法人
・国立大学法人等
・地方独立行政法人(試験研究を行うこと、病院事業、社会福祉事業、介護老人保健施設の設置及び管理を主たる目的とするもの)
・公立大学法人
・センター(自動車安全運転センター、日本司法支援センター)
・研究所(日本原子力研究所)
・事業団(日本私立学校振興・共済事業団)
・振興会等(核燃料サイクル開発機構、日本赤十字)
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相続税の申告書の提出先は本来、日本国内に住所を有する者についてはその者の住所地の所轄税務署長、日本国内に住所を有しない者については、原則として、その者が定めた納税地の所轄税務署長となっています。
また、相続等により財産を取得した者が死亡した場合には、その死亡した者の死亡当時の納税地をもってその納税地とすることとされています。
しかし、被相続人の遺産は通常その住所地を中心として所在するのに対し、各相続人の住所地はまちまちである場合が多く、各相続人がそれぞれ異なる税務署長に申告書を提出しなければならないとすると、納税者の立場からも、また課税上の立場からも種々の支障が予想されます。
そこで、相続等により財産を取得した者の被相続人の死亡時の住所地が日本国内にある場合においては、被相続人の死亡の時における住所地が、その相続税に係る納税地となります。
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