吉田会計ブログ > 国外に所在する相続財産
遺産が国外に所在していても、相続人全員が日本国内に住所を有している場合、相続税法上居住無制限納税義務者に当たり、相続又は遺贈で取得した財産全部が課税対象となります。
多くの場合、別荘等不動産になると思いますが、基本的には財産評価基本通達に定められた評価方法で課税金額を算出しなければなりません。
ただし、評価が困難な場合は、売買実例価格、精通者意見価格等を参酌して評価します。
また、その相続財産が所在する国で、日本の相続税に相当する税金を納めた場合、その税額は相続税額の計算上控除されますが、次の算式により計算した金額を超えるときは、その超える部分の金額は控除されないことになります。
諸控除をした後のわが国の相続税額×(課税価格の計算の基礎に算入された部分の価額÷外国にある財産の価額)
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国若しくは地方公共団体又は一定の公益法人に対して相続財産を贈与した場合、
①その贈与が相続税の申告期限までに行われていること、
②その贈与によって、その贈与者又はその贈与者の親族等の相続又は贈与税の負担が不当に減少する結果となると認められないこと、
③相続税の申告書に、非課税の規定の適用を受けようとする旨及びその贈与財産の明細等を記載すると共に、
④贈与を受けた法人等の贈与を受けたことの証明書、その受贈者が相続税の非課税規定の適用がある公益法人に該当する旨の主務官庁又は所轄庁の証明書等を添付する等の要件を具備しているときには、その財産は相続税の非課税財産となります。
また措置法により、一定の非営利活動法人に対する贈与も対象となります。
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被相続人の親族が被相続人から相続又は遺贈により取得した財産のうちに
①取引相場のない株式若しくは出資
②森林施業計画の定められた区域内に存する立木若しくは土地等
がある場合に、次に掲げる要件を満たすときに限り、相続税の課税価格に算入すべき価額は、その財産の価額に一定の割合を乗じて計算できる特例があります。
①の要件
(1)被相続人の親族であること
(2)申告期限を経過する時において特定同族会社株式等に係る法人の役員であること
(3)相続開始の時において特定同族会社株式等に係る法人の発行済株式総数等の100分の5以上を有していること
①の減額割合 10%
②の要件
(1)被相続人の親族であること
(2)相続開始の時から申告期限まで引き続き特定森林施業計画対象山林について市町村長等の認定を受けた森林施業計画に基づき施業を行っていること
②の減額割合 5%
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相続又は遺贈により財産を取得した者が、その相続開始前3年以内に、被相続人から財産の贈与を受けている場合、その贈与財産の価額を相続税の課税価格に加算して相続税額を算出することになっています。
この贈与を受けた時に贈与税の申告をし納税している場合、相続税から贈与税額を控除することとされているのですが、もし「贈与税額>相続税額」であったとしても、超過部分の贈与税額は還付されません。
相続開始前3年以内・・・の趣旨は、相続開始前に財産を移転し相続税の負担を軽減しようとすることを防止する為であり、納付した贈与税額を相続開始時に精算することではないため、相続税額を超える金額の還付は受けることが出来ないのです。
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被相続人が相続させたくないと思うような(非行)が推定相続人にあった場合、家庭裁判所に手続きをすることによって、その相続人に相続をさせないようにすることが出来ます。これを、「相続人の廃除」と言います。
排除することが出来るのは、遺留分を有する推定相続人のみとなり、遺留分の無い兄弟姉妹は含まれません。
「廃除」が認められる非行の例としては、
被相続人に対する虐待、重大な侮辱、その他の著しい非行など。
暴行、浪費癖、遊興、財産の無断売却など、これらの複数の行為をしている場合に著しい非行と認定される場合が多いようです。
ただ、家庭裁判所の審判・調停によって決められますので、必ずしも廃除が認められるわけではありません。
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相続欠格とは、相続資格を認められた者から相続資格を奪う制度で、一度該当すると永久に相続資格を失うものです。
民法では次の5つを欠格事由としてあげています。
1 故意に被相続人又は先順位、同順位の相続人を死亡させ、又は死亡させようとして刑に処せられた者
2 被相続人が殺害されたことを知りながら、告訴、告発をしなかった者
3 詐欺、強迫により被相続人の遺言作成、取消し、変更を妨げた者
4 詐欺、強迫により被相続人の遺言作成、取消し、変更をさせた者
5 被相続人の遺言書を偽造、変造、破棄、隠匿した者
欠格事由が相続開始前に生じた時はその時点から、相続開始後に生じた時は相続開始に遡って、その効力が生じる。ただ欠格相続は、その事由に該当した者の相続権を剥奪するだけで、欠格者に被相続人の直系卑属がいるときは代襲相続が開始します。
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一般的には、相続の開始があってから次の相続の開始までは相当の期間がありますが、短期間に相続の開始が続いた場合、相続税の負担が過重となります。
そこで、税法では「相次相続控除」という制度を設け、その負担の調整が図られます。
具体的には、10年以内に2回以上の相続があった場合、前の相続において課税された相続税額のうち、1年につき10%の割合で逓減した後の金額を後の相続に係る相続税額から控除できます。
なお、この制度の適用対象者は、相続人に限定されていますので、相続の放棄をした者及び相続権を失った者がたとえ遺贈により財産を取得しても摘要されません。
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相続税を課税される「課税遺産総額」は、課税される遺産の合計額から遺産に係る(基礎控除額)を差し引いた金額となります。
遺産に係る基礎控除額とは、相続税の課税最低限度額でもありますので、課税遺産総額が基礎控除以下であれば、相続税は課税されないことになります。
遺産に係る基礎控除額は、(5000万円+1000万円×法定相続人の数)で計算出来ますので、自身の相続の際に控除できる基礎控除額を計算しておくと、相続税を納税しなければならないかどうか、ある程度推測することが出来ます。
ここで法定相続人の数について注意しなければならないのが、(養子)が複数いた場合です。その場合、法定相続人に含まれる養子の数は次のように制限されます。
1 被相続人に実子がいる場合・・・・1人
2 被相続人に実子がいない場合・・2人
ただし、相続税の負担を不当に減少させる結果となると認められる養子は除くこととされています。
この場合、以下の養子は(実子)とみなされます。
1 民法上の特別養子縁組による養子
2 配偶者の実子で被相続人の養子
3 被相続人との婚姻前に被相続人の配偶者の特別養子縁組による養子となった者でその被相続人の養子
4 実子若しくは養子又はその直系卑属が相続開始以前に死亡し、又は相続権を失った為相続人となったその者の直系卑属
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相続税の課税価格の計算上、葬式費用として控除する金額は、以下の金額の範囲のものとされています。
①葬式や葬送に際し、又はそれらの前において、埋葬、火葬、納骨又は遺がい若しくは遺骨の回送その他に要した費用(仮葬式と本葬式とを行うものにあっては、その双方の費用)
②葬式に際し、施与した金品で、被相続人の職業、財産その他の事情に照らして相当程度と認められるものに要した費用
③上記①及び②に掲げるもののほか、葬式の前後に生じた出費で通常葬式に伴うものと認められるもの
④死体の捜索又は死体若しくは遺骨の運搬に要した費用
逆に、次に掲げるようなものは、葬式費用としては取り扱わないものとされています。
①香典返戻費用
②墓碑及び墓地の買入費並びに墓地の借入料
③法会に要する費用
④医学上又は裁判上の特別の処置に要した費用
また、被相続人の債務であっても、以下の相続税の非課税財産の取得、維持又は管理のために生じた債務の金額は、債務控除の対象となりません。
①墓所、霊びょう及び祭具並びにこれらに準ずるもの
②個人の公益事業用財産
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生命保険契約は、その契約時に死亡保険金の受取人を指定してあります。
結婚を機に保険契約を結ぶ場合、その受取人は配偶者とするのが一般的かと思います。
この場合、配偶者の受け取った生命保険金は相続財産になり、非課税金額を控除したのちの額が相続税の課税対象となるわけですが、もし独身時代に保険契約していたりすると、その受取人を親にするケースが殆どかと思います。
この親を受取人とした契約を、結婚を機に配偶者に変更しておけばよいのですが、それをしないまま被保険者が死亡してしまうと、契約上保険金は親に支払われてしまいます。
今は、保険会社も契約内容の確認を定期的に行っているようですので、変更のし忘れも少ないと思いますが、特に若い人は契約内容の確認をしておいたほうがいいでしょう。
ちなみに、保険金を受け取った被保険者の親が、配偶者にその保険金を渡した場合、それが贈与とみなされるかどうかですが、一般的には配偶者から相続により取得したものとみなされ、義親からの贈与による取得とはならないようです。
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