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税に関する国際比較(続き)

 今回は前回に引き続き、税に関する国際比較の話をしてゆこうと思います。
 さて、前回日本の国民負担率が国際比較上それほど高いわけではないことを話しましたが、なぜ実感として負担が多く感じられるのかについてはあまり話していなかったと思います。


 財務省HPの資料であるOECD諸国における所得・消費・資産課税等の割合の国際比較(国税+地方税)(http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/siryou/017.htm)によると、日本は所得課税(所得税等)と資産課税(固定資産税等)の割合が大きく、消費課税(消費税等)の割合が低いことがわかります。ただ、いわゆる先進国においては、所得課税や資産課税の割合が大きく、消費課税の割合が小さいことが資料から分かると思いますので、日本がとくに負担が大きいとは言えないのですが、資産税の割合が大きいということから、所得が少ないのに資産を多く持っている結果、たとえば土地などの固定資産税が多くかかってしまう、ということもありうるでしょう。もっとも、売却等により資産を手放してしまえば資産に対する課税は減るかもしれませんが、土地などの場合は買い手がなかなかつかないことから、いつまでも手放せないということがおこりえます。このようなことから、経済の悪化に伴い、取引が停滞することで、以前よりも税の負担というものが重くなってしまっているのではないかと思われます。国や地方自治体は税収の安定性ということを重要視するでしょうから、すべての税を所得課税のみや消費課税のみにしてしまうとは考えにくいので、資産のある方は、国や自治体が行っている軽減措置を活用して、負担を減らすという方法が一番効果的かと思われます。

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カテゴリー:伊藤

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