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貸借と贈与税

 皆さんこんにちわ。今回は少し遅いアップとなってしまい、どうもすいません。
 さて、今回の話ですが、このブログをご覧の方の中には、親子間で無利子で金銭の貸借をしている方、あるいは親または子供から無償で土地や建物を借りて住んでいる方もいらっしゃるかと思われます。まったくの赤の他人との間でこのような取引が行われた場合、財産ないし経済的利益の贈与にあたり、贈与税の対象となりますが、親子間のような場合はいったいどうなるのでしょうか。


 まず、親子間で金銭の貸借があった場合ですが、親と子、祖父母と孫など特殊関係のある人の相互間における金銭の貸借は、その貸借が、借入金の返済能力や返済状況などからみて真に金銭の貸借であると認められる場合には、借入金そのものは贈与にはなりません。
 しかし、その借入金が無利子などの場合には利子に相当する金額の利益を受けたものとして、その利益相当額は、贈与として取り扱われる場合があります。
 なお、実質的に贈与であるにもかかわらず形式上貸借としている場合や「ある時払いの催促なし」又は「出世払い」というような貸借の場合には、借入金そのものが贈与として取り扱われます(相基通9-10)。
 土地の貸借の場合にはどうでしょうか。
 土地の貸し借りが行われる場合に、借り手は地主に対して地代を支払います。権利金の支払が一般的となっている地域においては、地代のほか権利金などの一時金を借地権設定の対価として支払うのが通例です。しかし、親の土地に子供が家を建てたときに地代や権利金を支払うことは通常ありません。
 このように地代も権利金も支払うことなく土地を借りる場合を土地の使用貸借といいます。
 親の土地を使用貸借して子供が家を建てた場合、子供が親から借地権相当額の贈与を受けたことになるのではないかという疑問が生じます。
 しかし、使用貸借による土地を使用する権利の価額はゼロとして取り扱われていますので、この場合、子供に借地権相当額の贈与税が課税されることはありません。
 この使用貸借されている土地は将来親から子供が相続する時に相続税の対象となります。相続税の計算のときのこの土地の価額は他人に賃貸している土地ではなく自分が使っている土地として評価されます。つまり、貸宅地としての評価額でなく更地としての評価額になります(昭48直資2-189)。
 家賃については、土地の場合と同じになるかどうかは調べてもはっきりしませんでしたが、借地も借家も無償により賃貸する場合には使用貸借となることから、土地を無償で借りている場合と建物を無償で借りている場合は同じ扱いになるのでは、と思います。

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カテゴリー:伊藤

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